女性泌尿器の病気・お悩み

女性の泌尿器のお悩みは、
第二の人生を楽しむためにも早めの治療が大切です。

  • 女性の患者さんからよくお聞きするのは、「オシッコが近い(頻尿)」「重いものを持ったり、くしゃみや咳でオシッコが漏れる(尿もれ)」「オシッコが出づらい」など、日頃の生活を憂鬱にする原因になるものが多くあります。
  • 特に頻尿は、旅行や観劇などに行きづらくなり、自由な行動を制限されることで生活に張り合いを持てなくなる方もいます。
    また、尿もれはご自身の不快感と、周囲への気遣い(におい等)などストレスが増えて、これも毎日の生活から楽しみが減るような気になります。子育ても終わり自由な時間をすごせるときと、これらの症状は時期が重なって現れることが多いものです。「あれ?」と感じたらすぐに受診することをおすすめします。

膀胱炎

膀胱炎
  • 膀胱炎の年齢分布は3つのピークがあり、小児、20~30歳女性、中高年男女となり、中でも、20~30歳女性に多く見られます。
  • 膀胱炎の原因菌の80%が大腸菌です。性交渉が原因の一つとも言われ、性交渉後には排尿し、膀胱炎の予防に心がけてください。
    また、女性の場合は排便後、肛門を紙で拭く際には、前から後ろに向かい拭いてください。女性の尿道が数cmと短く、細菌が入りやすい構造です。注意してください。

こんな症状ありませんか?

  • 尿が混濁としている
  • 排尿を終えた時に痛みがある
  • 頻尿
  • 夜間頻尿
  • 残尿感がある
  • 排尿後に出血がある
  • 1回の排尿の量が少ない

検査方法

  • 尿検査が重要です。当院では、尿沈渣を患者さんとともに、顕微鏡画像を画面で見ながら、説明しております。尿中の白血球、赤血球、細菌などが多数観察され、膀胱炎の尿所見が実感できます。
    他には、尿細菌培養検査、細菌感受性検査を行います。
    当院の採尿室は男女別で、女性採尿室は待合室とも離れており、安心して採尿して頂けます。
  • イメージとしては、この様な感じで顕微鏡画像をモニターで見ながら説明します。

検査方法

治療方法

  • 抗生物質が中心です。
    しかし、最近の全国調査の結果によると、大腸菌に対する抗生物質の有効率は75.3%と言われており、抗生物質の効果が毎年弱まっているようです。
  • 抗生物質を安易に服用したりせず、的確な診断のもと、適切な抗生物質の治療が必要となっております。

予防方法

水分摂取、膀胱訓練が重要です。

  • 予防方法

    1起床後から、夕食まで、2時間ごとにコップ1杯の水分(水、お茶など)をとり、2,3時間おきに排尿することを おすすめします。

  • 2便通を整えてください。便秘を続けますと、大腸の大腸菌が膀胱炎をおこしやすく変化するそうです。

  • 3シャワートイレで排尿ごとに洗浄はせず、時々の使用にしてください。

受診される前には、出来る限り、抗生物質の服用は控えてください。膀胱炎の原因菌が検出されず、治療の妨げに繋がります。

オシッコが近い(頻尿)

オシッコが近い(頻尿)
  • 一般的に、トイレに行きたくなる回数が多い状態で、その間隔が短いときもあります。
    50代以上でよくみられる症状です。
    改善策のひとつとして、尿検査を行った後、膀胱の機能を活性化するような習慣付けと投薬を行います。
    女性の場合「トイレは行くチャンスがあるときに行っておく」という心の働きがあります。この働きが、膀胱にオシッコが溜まりきらないうちに出してしまうことから起こります。
  • 膀胱の本来の仕事は尿を溜めることですが、溜めないことが習慣化されてしまい膀胱の仕事ができなくなります。
    「溜めない=膀胱が膨らまず機能を忘れている」という状態です。そのためトイレに行くのを意識的に我慢することを続けると、改善されることがほとんどです。
    他にも「過活動膀胱」の症状がみられることもあります。これは投薬でかなり改善されるようになりました。
  • 早期にご相談をいただければ検査を通して適切な対応ができます。

尿もれ(腹圧性尿失禁)

尿もれ(腹圧性尿失禁)
  • 重いものを持ち上げた時、くしゃみや咳をした時、笑ったりつまずいた時など、無意識な動作をしたときに、「あ……」となった記憶がある方も多いでしょう。
    これは、腹圧性尿失禁と呼ばれています。
    尿道を開閉する筋肉(尿道括約筋)の動きの低下、骨盤底筋群のたるみ、膀胱や尿道が下がり尿道のゆるみなどから起こる症状ですが、原因がいくつか重なりあい症状を起こしていることもあります。
  • 原因も女性特有で、
  • 尿道が短く、妊娠や出産で骨盤底筋のダメージを受けた
  • 閉経や加齢で女性ホルモンが低下したことにより、尿道や骨盤底筋の機能が低下した
  • などが挙げられます。
  • また、肥満や便秘も原因と言われ、毎日の生活習慣の改善も大切です。

治療方法

  • 改善策として骨盤底筋を鍛える運動療法=骨盤底筋体操をお伝えしています。また、投薬や電気・磁気刺激療法などもあります。
  • 改善策を取っていても尿もれはすぐには治まりません。心の負担を少なくするためにも、尿とりパッドや専用の下着などを利用することも良いでしょう(生理用ナプキンは経血用で、尿のような水分の吸収には向きません)。

切迫性の尿もれ

これは急に尿意を感じて我慢ができずにもれてしまう症状(切迫性尿失禁)です。
やはり原因は骨盤底筋のゆるみです。

治療方法

骨盤底筋体操と投薬で改善できます。

過活動膀胱

急に尿がしたくなり我慢が難しくなる病気で、尿が近くなり我慢できず尿を漏らしてしまう事もあります。

治療方法

過活動膀胱

骨盤底筋を鍛えたり投薬療法があり、過活動膀胱の症状を改善する事ができます。
薬物療法としては抗コリン剤、β3刺激剤などがあります。抗コリン剤は有効ですが、薬の副作用(口内乾燥・便秘・残尿量の増加等)があります。一方、β3刺激剤も頻尿を改善し、尿意切迫感、切迫性尿失禁を軽減しますが。この薬剤は口内乾燥、便秘、残尿増加も少なく、特に女性の過活動膀胱治療薬に適していると思います。2剤ともに特徴のある有効な薬剤ですので、専門医を受診し、適切な治療を受けられることをおすすめします。

間質性膀胱炎

診断の難しい病気ですが、決して少なくありません。
なおかつ原因が良く分からない病気です。膀胱や下腹部の痛みが特徴で、尿が近く急に尿がしたくなり我慢できない症状を伴います。女性に多く、平均年齢は50歳くらいと言われます。

産婦人科と泌尿器科の違い

泌尿器科では「尿」と「尿に関わる器官」を診察・治療します。
患者さんのお悩みを尿検査の結果(時間の必要な詳細事項は除く)とあわせてお聞きします。産婦人科のような内診はほとんどありません。

産婦人科か泌尿器科、どちらに通院するか迷っている方へ

産婦人科か泌尿器科、どちらに通院するか迷っている方へ
  • お悩みの内容により異なります。泌尿器科を受診する際のキーワードは「尿」とご判断ください。オシッコが急にしたくなり我慢できない、くしゃみなどでもれる、トイレが近いなど、尿にまつわるお悩みの場合、内科や婦人科では行われない尿沈渣の検査を泌尿器科で受けることで、内診を受けることなく不安をひとつ解消できるかもしれません。

頻尿の症状などに、市販の薬品で対応されている方へ

頻尿の症状などに、市販の薬品で対応されている方へ
  • 市販の薬は漢方が中心ではないでしょうか。副作用が穏やかであるなど、デリケートな女性の身体に優しいとお考えになる方は多いと思います。
  • しかし利き方も穏やかであることも事実です。そして市販である以上、患者さん一人ひとりの個性(体重や体質)に合っているかとどうかは難しいところかもしれません。
  • 病を改善するための薬ですので、詳しい検査を元に調剤された正しい投薬をお考えいただきたいと思います。

お問い合わせはお気軽に

名古屋市にお住いの方で尿や皮膚のことで
お困りの方はお気軽にご相談ください

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