尿道炎
- 性感染症の中で最も多いのが尿道炎です。
- 尿道炎は大きく淋菌性、クラミジア性、その他の尿道炎に分類できます。
- 尿道炎の主な発症要因は、性交渉によるものです。
淋菌性尿道炎
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- 潜伏期間
- 1週間以内
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- 症状
- 排尿時に痛みがある
- 尿道から膿がでる
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- 検査方法
- 尿検査と尿道分泌物の検査で診断します。
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- 治療方法
- 抗生物質で速やかに治す事ができます。
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- ※ただし、女性の咽頭(いんとう)を介した性風俗店での淋菌性尿道炎の場合は、通常の潜伏期間と症状が異なります。
- 潜伏期間:1~2週間
- 症状:通常の淋菌性尿道炎より軽く、クラミジア性尿道炎と似ている
クラミジア性尿道炎
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- 潜伏期間
- 1~4週間
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- 症状
- 排尿時に軽い痛みがある
- 尿道に搔痒感、不快感がある
- 粘液性の尿道分泌物がある
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- 治療方法
- 適切な抗生物質で1~4週間で治ります。
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- 注意点
- 症状が軽いか、無症状の為、クラミジアの保菌に気付かないまま一般家庭の中に浸透し、夫婦間で感染する事が多くあります。
その他の尿道炎
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- 男子尿道炎の30~40%を占めます。
- しかし、原因不明のことが多く、その中で考えられている病原体としてマイコプラズマとウレアプラズマがあります。
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- マイコプラズマによる尿道炎の特徴
- クラミジア性尿道炎の症状に近い
- 尿道の痛み、排尿時の痛みや不快感がある
- 分泌物は漿液性である
- 治療はクラミジア性尿道炎に準じて行う。症状は早く治るが、尿中白血球の消失は遅れる事が多いため治療に時間がかかることがあります。最近では抗生剤が効きにくくなっている症例が増加傾向にある。
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- ウレアプラズマによる尿道炎の特徴
- クラミジア性尿道炎のものより尿道の痛みは強い
- 尿道口の発赤が強い
- 分泌物はしょう液性だが混濁としている
- 治療はクラミジア性尿道炎に準ずるが30%位は効果がなく、他の抗生物質が必要となります。
- その他、アデノウイルスやヘルペスウイルスによる尿道炎が全尿道炎の約10%の確率でそれぞれ見られる。
これらの尿道炎は排尿痛がかなり強い一方、尿道分泌液は少ないことが多い。
- これら原因菌の検査は保険診療では認められておりませんし、当院でも施行しておりません
- 男性の場合:尿検査である程度の診断は可能です
- 女性の場合:尿検査での診断は難しく、泌尿器科と婦人科との連携が必要になります