男性泌尿器の病気・お悩み

男性泌尿器のお悩みには、
男性特有の病気が隠れていることがあります。

オシッコの悩みからどんな病気がわかりますか?

悩む男性

近年、「前立腺肥大症」など、症状の現れやすいものが増えています。
前立腺肥大症の早期または症状が軽いうちなら、投薬治療もできます。

前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、前立腺が何らかの原因で肥大することにより、尿道が圧迫され、ふさがれてしまう病気です。

前立腺は40-50歳から肥大が始まると言われ、加齢とともに肥大するとも言われています。

過活動膀胱との合併が50%以上見られます

前立腺肥大症には過活動膀胱の合併が50%以上に見られ、バス旅行などの外出が制限されQOLの悪化をきたします。冬に症状の憎悪が多く、寒冷刺激が過活動膀胱を引き起こします。

過活動膀胱についてはこちら>>

こんな症状ありませんか?

症状は大きく2つのタイプに分かれます。

尿が出にくくなるタイプ

  • オシッコが出るまでに時間がかかる
  • 尿の勢いが弱く、途切れる
  • 尿の切れが悪い
  • 排尿後も残尿感がある

排尿はできるがコントロールが難しいタイプ

  • 夜中に2回以上トイレに起きる
  • トイレが近い
  • 尿意を急に催す
  • 尿を我慢しきれず漏れる

検査方法

検査

検査は直腸診、経直腸超音波検査、経腹超音波検査が中心で、尿検査や血液検査の前立腺腫瘍マーカーPSAも行われ、診断されます。一般的には侵襲は少なく、個人差はありますがあまり痛みを感じない方がほとんどです。

治療方法

検査の結果、肥大した前立腺の体積が、50ml以上か以下で対応が変わります。

前立腺の体積が50ml以下の場合

薬物療法での治療がじゅうぶん可能です。

α1遮断薬が主に用いられ、服用して1ヶ月程度で、症状は改善され、数年以上良い状態が維持されます。この時期に投薬される薬の副作用として、めまい、立ちくらみ、射精障害などがあり注意が必要です。

前立腺体積が50mlを超える場合

薬での治療は可能ですが、数年経過後に症状の悪化や、残尿の増加が現れることがあり、他の治療法が必要となります。

最近は、前立腺を縮小させる薬(5α還元酵素阻害剤)の併用が増えました。

これは性機能の副作用(勃起障害、性欲減退など)が少ないのですが、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAを抑制するため、泌尿器科専門医に相談して投薬を受けましょう。

また年2回のPSA検査が必要です。3~6ヶ月の服用で、効果が現れて長期の症状改善効果が期待されます。これらの治療法でも症状の改善がなく、残尿の増加、膀胱炎や血尿などの症状がある場合は、手術が必要となります。

専門医での早めの受診が早期治療・回復につながります。
尿に関するお悩みは年代を問わずご相談ください。

前立腺がん

初期段階の前立腺がんは症状がほとんどありません。
検診を受ければ早期発見が可能です。

前立腺がん

前立腺は男性にしかない臓器で、精液の一部をつくり分泌する臓器です。
前立腺は恥骨の裏側に位置し、栗の実のような形状をしています。この前立腺にがんが発生する病気が前立腺がんです。
恥骨:骨盤を形成する骨の一つです。おへそから下にまっすぐ向かい、腹部を触ると、股の上辺りで固いものがあるかと思います。これが恥骨です。
前立腺がんは日本人男性で最も増加しているがんの一つです。米国では男性のがんの中で患者数1位、死亡数2位ですが、わが国でも食生活の欧米化、高齢化の影響などから患者数が急激に増えています。
前立腺がんの多くは、尿道や膀胱からやや離れた位置に発生します。そのため、初期の自覚症状はほぼありません。前立腺のがんが膀胱や尿道を圧迫し、排尿に関し何か自覚症状が出た段階で発見された場合には、かなり進行している状態です。しかし前立腺がんは他のがんに比べ、進行がゆるやかな場合が多いのが特徴です。自覚症状がない初期の期間が長いため、その間に検診を受ければ早期発見が可能です。
血液検査で前立腺がんの疑いがあると言われた方はこちら>>

前立腺炎

前立腺炎は、感染症などが原因となり前立腺が感染し、炎症を起こす病気です。

いくつかある前立腺の病気の中でも年齢を問わず起こるのが特徴です。

前立腺炎には、急性のものと慢性のものがあり、まったく症状が異なります。

急性前立腺炎の特徴的な症状

排尿痛・頻尿・高熱

慢性前立腺炎の特徴的な症状

下腹部の不快感、残尿感、頻尿等があり、治療の難しい場合が見受けられます。

膀胱がん

膀胱がんは膀胱の組織内に悪性のがん細胞ができる病気です。

こんな症状ありませんか?

  • 頻尿
  • 排尿時に痛みがある
  • 残尿感がある
  • 血尿

尿沈渣、尿細胞診、超音波検査、内視鏡検査で診断が可能です。診断された場合、病院への紹介を致します。

亀頭包皮炎

亀頭部分が発赤し、腫れている病気を亀頭包皮炎と言います。時には膿が出たり、潰瘍ができたり、オシッコの時に痛みを伴うことがあります。

赤ちゃん、幼児の場合

赤ちゃんや幼児が亀頭包皮炎になる原因は、赤ちゃんや幼児のほとんどが包茎のため、ペニスの包皮の隙間に細菌が侵入し、細菌が繁殖することで炎症が起きるためです。
赤ちゃん・幼児のおちんちんが痛い、腫れている、痒みがある場合の処置について>>

成人男性の場合

成人男性が亀頭包皮炎になる原因は、性行為・オーラルセックスや洗いすぎ、下着とのこすれから傷ができ、そこから細菌が入り込み感染するなど様々なケースがあります。
治療は外用薬で行いますが、再発を繰り返すことが多いようです。

血精液症

  • 精液の色がピンク色もしくは真っ赤
  • 精液に血液が混ざっている

上記の症状が見られる方は血精液症と呼ばれ、多くの原因は不明です。出血箇所は精嚢と考えられています。

※原因が前立腺炎の場合は治療が必要です

 

前立腺炎についてはこちら>>

尿路結石症

結石

尿路結石は、上部尿路結石(腎結石と尿管結石)と下部尿路結石(膀胱結石と尿道結石)の二つがあります。腎結石や尿管結石は突然おそわれる激痛や腰痛などの発作を起こし、泌尿器科で最も頻度の高い救急疾患です。

腎結石は、尿に含まれるカルシウムやアミノ酸などが固まったもので、腎臓の中にある「腎杯」という部位に存在している間はほとんど症状が出ません。しかし尿の流れにのって尿管まで行き着くと、狭い尿管で詰まってしまいます。すると腎被膜の過伸展が起きるため、尿管結石に特徴的な疝痛発作(刺すような強い痛みで急速に出現し、治療などに反応するとすぐに消失するのが特徴)が起こります。発作は2-3時間続くことが多いようです。

この病気で死に至る事はあまりありませんが、多くの方にとって「死ぬほど痛い」のが尿管結石に伴う疼痛発作です。尿管の内側直径は4mmほどで、これより小さい結石は激しい発作を起こしても、鎮痛剤を投与して尿管の痙攀を鎮めると、自然に尿とともに排出されます。しかし1cm以上の大きな結石は、自然な排石が難しいとされます。
また排出されることなく腎盂の中で大きくなる腎結石もあり、血尿をはじめ、腎部痛、水腎症など腎機能障害の原因になることもあります。そのため尿管結石と診断した場合、その大きさに応じて治療方針を決定します。

治療方法

尿管結石と診断された場合に、結石の大きさ、結石の場所、結石の成分によって治療方針を決定します。
大きくわけて「保存療法」「侵襲的療法」の2つが有ります。

保存療法

保存療法

小さい結石の場合に有効です。
自然に尿道から結石を排出きせる事を待つ治療法で「自排」とも表現します。
水分を多く摂取することで尿管の動きを活発にし、結石の下降を促進します。
5mm以下の結石は3ヶ月以内で自然排石が期待される。
6~9mm程度のサイズの結石であれば6ヶ月以内で排出される可能性があります。
※尿酸結石やシスチン結石の場合
尿をアルカリ性に変える薬などを服用し、数ヶ月かけて結石を溶かす治療を行います。

侵襲的療法

1cm以上の結石の場合に行います。
上記に加えて、自然に尿道から結石を出すことが困難、または尿の流れが妨げられ水腎症になる恐れがある時、薬が作用しない尿路感染症がある時、強い痛みがある時に行ないます。
これは「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」とも呼ばれます。結石を砕き、細かくなった石を尿道より排出させる治療方法です。
具体的には、体外で発生させた衝撃波を体の中にある結石に集め、そのエネルギーで結石を砕くのです。
※注意点
衝撃波が通過した腎組織が損傷を受け、ほぼ全例で血尿を伴いますが、簡単であり最近では外来でも施行可能な機器も開発されました。

その他の治療方法

ESWLで砕くことができないような大きな結石や硬い結石、またはESWLが行いにくい場合は内視鏡を使って結石を取り出すほか、超音波、レーザー、圧搾空気の力で石を砕く方法も行なわれます。

その他、年代を問わず起こる尿に関する病気

  • オシッコを出すときの「痛み」は膀胱炎や尿道炎である可能性があります。
  • 尿道炎は、性的感染でかかる性病も含まれます。
  • オシッコが近い(頻尿)などの症状からは「膀胱炎」のほか「過活動性膀胱」なども考えられます。
    また「血尿」が出て受診されることもあると思いますが、過労など急性のものなら安静にすることでよくなることもあります。しかし、白血球や上皮細胞が尿から検出された場合は、尿路結石や膀胱がんなどの可能性もありますので、充分注意が必要です。
  • 加齢や前立腺を摘出した後の症状として「尿もれ」があります。これは骨盤底筋を鍛えることでかなり改善されます。

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